このサイトについて


 当サイトは早稲田大学大学院法務研究科の学生有志が、自らの責任のもとに法科大学院生の視点から重要な法律上の問題、社会的に話題となっている事件などについて法曹、法科大学院生に向けて発信していくことを目的として2006年6月に開設しました。コンテンツは論文、判例評釈、対談、講演会等からなります。執筆は、研究者の先生方、実務家の先生方に限らず、早稲田大学の法科大学院生、修了生、全国の大学院生など様々な方からの寄稿を掲載いたします。

 

 また、当サイトは法律雑誌「Law & Practice」と連動していますが、インターネットの特徴である速報性に着目し、雑誌に先駆けて時宜に見合ったトピックを随時取上げ提供していきます。

 

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活動の理念

 法科大学院は司法制度改革における新しい法曹養成機関として次の3つの理念のもとに創られました。

 

・「法の支配」の直接の担い手であり、「国民の社会生活上の医師」としての役割を期待される法曹に共通して必要とされる専門的資質・能力の習得と、かけがえのない人生を生きる人々の喜びや悲しみに対して深く共感しうる豊かな人間性の涵養、向上を図る。
・専門的な法知識を確実に習得させるとともに、それを批判的に検討し、また発展させていく創造的な思考力、あるいは事実に即して具体的な法的問題を解決していくため必要な法的分析能力や法的議論の能力等を育成する。
・先端的な法領域について基本的な理解を得させ、また、社会に生起する様々な問題に対して広い関心を持たせ、人間や社会の在り方に関する思索や実際的な見聞、体験を基礎として、法曹としての責任感や倫理観が涵養されるよう努めるとともに、実際に社会への貢献を行うための機会を提供しうるものとする。

 

 上記のような理念に基づき法科大学院は設計され、運営されています。そしてそのような場所で勉学に勤しんでいる我々は、在学中・修了後問わずこのような理念を胸に、真摯に社会へ対峙しなければなりません。
 しかしながら、我々が受動的にその制度を利用するのみでは、法科大学院教育が描く法曹像に近づくことは到底できません。司法制度改革においてこれからの法曹像として描かれているのは、豊かな法的知識に基づき積極的に社会問題に対してアプローチができる法曹なのです。

 

 我々は司法制度改革を担うメンバーとしての自覚を持ち、受身ではなく制度設計者として、常に挑戦と自省を繰り返しながら法科大学院の法曹養成文化を創り上げていかなければならないのです。そしてそのような問題意識を持ち行動し学修する過程でしか司法制度改革が描く法曹像に近づくことはできません。

 

 時間は文化、伝統を創り上げます。年月を重ね、日々の授業や学修の形、教授陣との関係、修了生組織などが蓄積されていきます。これらが多種多様なノウハウとして、法科大学院の伝統として承継されていくのでしょう。そうであるならば、我々が伝えるべきそして踏襲されるべき伝統の土台たる理想像は司法制度改革審議会意見書にある法曹の姿なのです。

 

 我々の根底にある問題意識は上記のとおりです。社会的な問題意識を持ち、法律家として能動的に行動ができる、そのような法曹を輩出する法曹養成文化を創り上げることが司法制度改革における法科大学院生の責務だと我々は考えております。我々の理念や熱・闘志を形として残し、繋いでいくことで法科大学院における法曹養成文化の一翼を担う。そのため、我々はLaw & Practiceを立ち上げました。

 

 最後となりますが、我々は脈々と連なるであろう優秀な後輩達に思いを馳せながら携わって来ました。そしてそのような後輩がこの活動を永続させるべく一途に精魂を込めている姿を胸に描いております。我々の活動が法科大学院、ひいては司法制度改革の明明たる未来形成の一助になることを心から期成しております。

 

(2006.6.29 初代編集長 村方善幸)